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心を打たれたこと

                                      

 三寒四温に従って、春がようやく訪れました。なんとなく上を向くと、キャンパスの青空に揚がっている凧が見えました。一つ一つの凧が暖かく穏やかな風の中を舞い上がって、過去に飛び戻ったような感じ。そして、心の底に眠っていた記憶が蘇りました。
 それはもう十年前のことです。田舎の家の前に広い野原がありました。今ごろの季節には、放課後になると、そこはいつも賑わって、私の仲間の一群が日が暮れるまで凧をあげたものです。しかし、私は凧がなかったので、仲間に入りませんでした。私と同じ年頃の子供たちの楽しそうな様子を見れば見るほど、羨ましくて羨ましくてたまらなくなりました。もう側で見るだけではいられません。母のところに、「私も凧を買いたい」とねだりに行きました。すると、厳しく叱られました。「わがままをするな。贅沢なものは絶対買わない」と母の声が怒ったような気がしました。確かに、その時、うちはとても貧乏でした。小さい私も家族のつましい生活からそのことがなんとなくわかりましたが、私は本当に凧がほしかったのです。でももう二度と母に頼まないと決めました。と同時に、自分で凧を作ろうという発想が出てきました。家から道具を探し出して、一晩もかかって、ようやく私の処女作の凧が出来上がりました。あまり次の日のことでわくわくしたために、その夜はなかなか眠れませんでした。
 ところが、翌日外へ自分で作った凧を持って行くと、すぐ仲間に笑われました。彼らの美しく派手なものに対して、私のは粗末で醜いものでした。四角形の形に新聞紙で作られたものでした。その上に、上がっては落ちて、上がっては落ちって、何回頑張っても失敗しでばかりでした。恥ずかしくて悔しかったです。そんな私は泣きそうな顔をして呆然と落ちてくる凧を見ていました。
 その凧がちょうど道を通る見知らぬお年寄りの足元に落ちました。私は凧の取り戻しもしないで、そのまま帰ろうとしたところ、そのお年寄りがこう言ってくれました。「おい、あなたが自分で作った凧だよね、すごいじゃない。」この言葉は風に運ばれて私の心に入ってきて、何だか暖かく感じました。「だって飛べないもの。」私がそう言うと、お年寄りは微笑みかけながら、こっちに近づいてきました。「もう少し頑張ってみたら?紙取ってきてくれない?」そう言われて、すぐ家から紙を持って来ました。何をするかと思うと、凧の尾を伸ばしただけでした。途中、彼の左手の2本の指がなかったことに気が付きました。やがて、彼は直した凧を渡してくれました。「自分の手で作ったものを大切にすることを覚えておいてよ。じゃ、もう一度やろう。」これでいいのでしょうか。私は半信半疑でした。でも、言われたとおりに揚げてみました。最初はぐらつきましたけど、やっと15メートルぐらい上にのぼりました。やはり仲間のと比べ物にならないといっても、それが私の凧のベストでした。そこで、振り替えてあの人に礼を言いたいと思いましたが、もう遠くへ行ってしまった後でした。私は胸がいっぱいになりした。
 家に帰ってから、そのことを祖母に言いました。祖母はその人の指が2本失かったことを聞くと、「ああ、なるほど。それは呂さんだったんだよ」と言いました。呂さんというのは隣の村で有名な大工(だいく)だと聞きました。2本の指がなかったのに、木からたくさんの物が作れ、私は再び心を打たれました。

 あの凧は引越しのせいで見つかりませんでしたが、あのお年寄りが教えてくれたことはいつまでも忘れません。

                                             

【作者: katsu】【访问统计:】【2006年03月30日 星期四 22:56】【 加入博采】【打印

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